20年ほど前のことですが、
茶樂のお茶の生産家のお一人が、
翌年の春(新茶)に向けて茶畑の一部を無農薬、無肥料で
お茶の木を育ててみようよ、決心されました。
当時はまだ無農薬の茶畑は静岡全域でも数件にすぎず、
経済的には収穫が少なく成り立たない状況でした。現在も大変ですが。

その方は「農薬を決して使用しないという決心」を、
散布するお水にこめてお茶さんに撒いたそうです。
ある日の夕暮れ時、
茶畑全域、(すり鉢のような傾斜のある茶畑を想像してください。)
に蛾のようなものが発生し、オレンジ色の天空を真っ黒に覆いました。
どこから飛来したのか。
その方のびっくり仰天の仕草が目に浮かびます。
怖かったそうです。ヒッチコックの映画にありましたよね。鳥の映画、あんな感じ。
しばらく呆然と眺めていたのですが、
我に返り、蛾の発生源を確かめようとしたそうです。
目を凝らすまでもなく蛾は、その方の茶畑、無農薬を決心したその茶畑の、
お茶の木から湧いてでるように空へ向かっています。
その後上空を旋回しながら向かった先は・・
何処だと思われますか?
オドロキ・・隣の農薬を撒いている茶畑だったそうです。
農薬を散布しているお茶の木にわざわざ。
蛾にとって安全な食物になるはずの、農薬がこれから消えていく生活圏を捨て、
危険な場所、死を覚悟しなければならない農薬圏へ移住するのは何故?
死に急ぐなかれ蛾よ。イッツミステリー

当時何人かの方が、虫が野菜を食べる現象を
『この野菜は人間が食べてはいけませんよ』
というサインであり、虫自ら農薬を体内に取り込み、
毒素を体内で変換し土に戻す作業をしている。
という意見を述べられていました。
新規の土地でない限り、農業の影響を受けない土壌に転換するのには
最低7年くらいかかるそうです。
害虫と呼ばれ、殺されていく昆虫さんが、
実は私たちの生命を守ってくれている。
感動もんですね!
ここは感動するところ、感動してくださいね。お願い。

食事中の方、いませんよね。気分の悪くなる方、失礼します。

うじ虫(最近見ました。真っ白な繭のようなきれいな生物です。可哀そうな名前)
の話なんですが、わかりやすい例としてお聞きください。

うじ虫のついた(湧いた)食物をあなたは食べますか?
ウジ虫と無農薬野菜を食べる虫との違いはどこにあるのでしょうか?
うじ虫はどのような時に湧くのでしょう?

普通は食物が酸化して腐敗していく状態になった時に、カビやうじが湧きます。
カビさん、うじさんがいるおかげで、
私の子供のころは食べる、食べないを決めることができました。
しかし今は、加熱、殺菌、防腐剤(農薬と同じ)や添加物のために、
カビさん、うじさんがいなくなり、彼等の送る食べないでサインを、
人間が受け取ることができなくなりました。
そしてその結果、・・誰かが勝手に決めた賞味期限を頼りに、
食べる、食べない、飲む、飲まないを、決めていませんか?

カビのいない、うじ虫さんをみたこともない、虫下しという言葉も死語となった日本。
身体の毒を食べてくれていた寄生虫さんもいなくなってしまった。寂しいことです。

天然。自然。人の踏み入れないアマゾンの樹木には
農薬も肥料もないし無農薬という言葉も当てはまらない。
ひかりと、空から落ちてくる水が唯一の肥料。
本当に頼もしい元気な樹木が育っています。
虫の食べた穴あきナスや、まっすぐ育たず曲がったきゅうり、
虫さんのいるキャベツやレタスなんてないんだろうな。

賞味期限も、保存状況、時や場所によって違ってきます。
目に見えない虫サインを受け取ることが、
食物さんのエネルギーの日々の変化を受け取ることに繋がっていきます。

食べる前に聞きましょう。
あなた、食べてもいいですか?
私を元気にさせてくれますか?・・・と